未来圏内

日々のくだらないことや小説

新型ウイルス、自粛、学費、理解

もうなんなのってくらい長い間街中に行っていない。自分の行動範囲は最寄りのスーパー、それよりは少し遠い安いスーパー、お金をおろすために行くATM、そして一日のほぼすべての時間を過ごす家の中。

本当は春になったら本屋に行きたかった。伊坂幸太郎の新刊が出るから。服屋を見て、バイトに嫌々行って、大学が始まったら研究室の友人とマジで統計はクソだとか言いながらレポートを書きたかった。

今のところ出来たことは何もない。

 

新型ウイルスだと聞いて思い出したのは法医学ミステリーを扱った人気ドラマだった。初の感染者、感染者とその家族への差別、国中で起こるパニック。ドラマで見たものより現状酷い気がする。

何が正しいんだか誰が正しいんだか分からないのに、テレビは視聴者の不安を煽ることばかりする。有名人が感染したと分かるや否や騒ぎ立て、亡くなれば遺骨が家族に届けられるまで追いかける。外出する人を指差し非難するくせに、自分たちは嘘か本当かも分からない情報を追いかけて外に出る。世の中の人も、ひどい。医療現場が、政府が、何をやっているのかを知りもしないで批判するだけ。そりゃ、何かを非難したい気持ちは分からなくもない。この状況で何もかも誰かのせいにしたいのかもしれない。検査を増やして陽性者が病院にあふれかえれば医療現場はどうなるのか。外出を禁止すれば社会がどうなるのか。どうすればこのコロナ禍が終わるのか。

みんな分からないしみんな知らない。もちろん自分も医療現場が実際どうなのか政府が実際どうなのか分からない。国がやってることは今後にとっていいことなのかもしれないし悪いことなのかもしれない。未来にならないとわからない。

 

誰かのせいにしたい人たちばかりで、世の中はもうめちゃくちゃだと思う。

 

ほとんどの大学がオンライン授業になって、図書館や研究室などには立ち入ることができなくなった。正直図書館が使えないのは痛い。レポートを書くための資料、学術書、勉強場所、図書館に行くのには様々な目的がある。本を読むのには時間とお金がいる。経済的に厳しい学生には図書館は素晴らしいところなのである。

大学へ、学費減額を求める学生もいる。「大学機関を使用できないこと、通常の対面での授業からオンライン授業に変更になったことで生じる授業の質の低下など」を理由に、「大学に学費の減額・返還を求める」らしい。

結局は誰かのせいにしたいのかもしれない。

大学は悪くない。先生だって対面授業がやりたいと思う。実際そう言っている先生は何人もいる。大学は悪くない。図書館を開放して感染者が増加すればオンライン授業にする意味がない。オンライン授業だって、そういうシステムを作ってくれるだけありがたい。図書館が使えないことも、オンライン授業になってしまったことも、大学の責任じゃない。誰の責任でもない。

 

かなしい。おそらく色んな人が頑張って暮らしているのに、それを理解できない人がいる。

共感はできなくてもいい。その人の立場にならないとわからないこともある。実際その人と同じ立場になっても、その人とは違う選択をすることだってある。必ずしも共感できることばかりではない。

でも理解してほしい。頑張ってる人がいて、頑張ってる企業があって、頑張ってる機関がある。理解できないから、傷つけてしまうのだ。どうかみんなが、色々な立場の人を理解して、この状況を乗り切ってほしい。誰かの大事な人を傷つけないでほしい。